なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第1章【4】(1)杉山公園(旧杉山邸)本町6-15

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 かなり広く、青梅街道と中野通りが交わった一角にある地の利と、東・南・西に高い建物がないため、一日中天気の良い日は陽が差している好条件から、現在、地域で最もよく利用され、親しまれている公園です。その成り立ちを、中野区が園内に建てた碑文の全文を引用してみましょう。

 「杉山公園の由来一杉山公園は明治の実業家杉山裁吉氏が令嬢みさをさんの病気療養のため、自然環境ゆたかな田園風景をもとめて居をかまえた所です。この地に移られてからの杉山氏は多年の事業から引退し、みさをさんのめい福を祈ると共に多くの子供達が健康ですこやかに育つよう祈願されました。

 大正14年に夫人が逝去されたのを機に邸宅、土地を当時の中野町に寄附し、親子三体の地蔵尊を彫った石碑を建立されました。昭和6年に杉出裁吉氏が逝去された後、昭和9年3月、東京都より杉山公園として開園されました。

 現在は中野区に移管され、日毎に増す交通事故から子供達を守り、またよき遊び場として地域のみなさんから親しまれる公園となっています。 中野区」


 公園の北側にこの地蔵三体は祀られ、その左にある石碑には「杉山一家嗣なく血統絶ゆるも代々の精霊は永くここに鎮りて中野町の繁栄と其の住民の幸福を祈らむ」とあり、裏面には親族、田中算占氏が杉山裁吉氏の事蹟を綴った文章が刻まれ、昭和4年11月とあります。

 現在毎週2回区の巡回児童館が聞かれています。また、幼児グループのお母さんたちが子ども連れで集まっていたり、フリー・マーケット、バザーなども行われたりしています。早朝には有志の人たちのラジオ体操も行われています。ベンチに座ってお年寄りが日向ぼっこをしていたり、若い人が本を読んでいたりする姿も見られます。

 盆踊りや秋の祭礼、近隣町会の行事はもちろん、地域全体の行事などにも利用されています。年2回赤十字献血車がやってくるのもこの公園です。

 面積は1、452.80平方メートルあり、中央西公園に次いで地域内第2位の広さを持ちます。