なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第1章【4】(3)新日本製鐵社宅(旧安田財閥邸)本町6-2、杉並区和田1-58

http://nakano-nabeyoko.gr.jp/monogatari/chapter1/6-221.jpg

 田口ぎん・談

「大正時代から昭和10年代にかけて、安田財閥の女婿安田善次郎さんの邸がありました。その後、満鉄総裁、林博太郎氏が渋谷区幡ヶ谷本町で戦災に遭い、移って来られました。戦災に遭った方が身を寄せていらしたようで、牧野仲顕伯爵、有馬頼寧氏なども一時いらしたことがありました。隣組だったので回覧板を届けに行った覚えがあります。」

林保雄・談

「戦後、松庫商店の社長、桑原用二郎氏が安出財閥の立派な家を壊して、鉄筋コンクリの立派な洋館を建てました。会社の寮にもなっていました。桑原さんは戦時中、北支で日本製鐵の代行店をやっていた人で若い頃鳩山一郎氏の書生をしていたそうです。日曜日には社長が一番に起きて庭掃きするんで、社員の人はおちおち寝てられなかったようです。」


 昭和36年、売買により八幡製鐵株式会社の所有となり、社宅が建てられました。昭和45年、八幡製鐵と富士製鉄が合併して新日本製鐵株式会社となり、その社宅として現在にいたっています。

 門に近い1棟は杉並区和田1丁目、後部3棟は本町6丁目となっています。なお、地目は昭和6から宅地となっていて、それ以前は畑地となっています。