なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第2章【1】(4)ターンテーブル(転車台) 語り部:江藤春雄(大正13年生)

語り部:江藤春雄(大正13年生)

語り部:江藤春雄(大正13年生)

 記憶によると東横バスが鍋横通りを走っていたのは、昭和20年の頃までと思います。

 当時の道幅は現在よりもずっと狭く、バスがやっと通れる位でした。そのためバスが方向を換えるためのターンテーブル(私は「ロータリー」と言っていました)がありました。毎日、その側を通って小学校へ通っていました。

 ターンテーブルの上に乗せたバスは、運転手と車掌が車体の前部と後部から押して回転させ向きを換えます。この時一緒になって押したりすると「危ないからダメ!」とよく怒られたものです。

 また、バスが来ない間は格好の遊び場でした。よく友達2~3人と、ターンテーブルを足で漕いで回転させ、だんだんスピードが出てくると上に乗って、その回転を楽しみました。

 それは、まるでメリーゴーランドに乗っているような気分でした。確か小学校4~5年生の頃のことです。

 ターンテーブルの床下は修理ができるように、人が立って入れるくらいの深さがあり、その中に入るための階段が横についていました。

 10年程前、千葉の方で同じような物を見かけ、少年の頃、ターンテーブルの上に乗って遊んだことを懐かしく思い出しました。