なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第2章【7】(3)牛乳屋さん 語り部:須山千代子(大正3年生)

語り部:須山千代子(大正3年生)

語り部:須山千代子(大正3年生)

 主人の実家は、昭和の初め頃まで桃園町(中野駅の南口の五差路付近)で牧場をやっておりました。私は結婚後、しばらくそこで生活していましたが、戦後現在の地に移り牛乳屋を開いて50年位になります。

 現在は、紙パックの牛乳が主流になっていますが、以前は牛乳ビンを契約をいただいた家庭に一軒一軒配っていました。

 朝4時頃から配達の準備をし、多いときで1500軒位になりました。配達の人も10人位いて、うちの店と隣の新聞屋さんの自転車がずらっと並んだこともありましたね。

 その頃、周辺にはまだ魚屋さん、肉屋さん、八百屋さんといろいろなお店があり賑わっていて、生活に必要なものはほとんと揃っていました。市場も青梅街道沿いに3ヵ所程ありましたよ。

 戦前は夜店が出ていて、桃園のほうからも出かけてきました。今では、この辺りはビルばかりになってしまい寂しい感じがしますね。