なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第2章【8】(1)時代劇スターに胸がドキドキ 語り部:能勢小夜子(大正15年生)

昭和初期の中野館

昭和初期の中野館

 中野警察から杉山公園寄りに城西館があり、松竹下加茂や大船の映画を上映していました。

 「雪之丞」の林長二郎、「愛染かつら」の田中絹代、桑野通子、森川まさみ、「浅草の灯」の高峰三枝子、時代劇の坂東好太郎高田浩吉、川浪良太郎と懐かしい顔が浮かんできます。満員で通路に座って見たこともあります。

 休憩時間に「おせんにキャラメル」と籠を胸に下げて売り子さんが回っていました。どの映画館も小さくて、トイレの臭気も感じられるような小屋でしたが、人々の憩いの場所でした。

 追分通りには中野館がありました。日活映画が上映されていました。「呑気眼鏡」の杉狂児轟由起子、「土」の山本嘉一と風見章子、「宮本武蔵」の片岡千恵蔵宮城千賀子、坂妻や嵐寛の時代劇には胸がどきどきしましたっけ。

昭和5年の中野区の地図に載っている映画館の広告

昭和5年の中野区の地図に載っている映画館の広告