なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第3章【5】(3)買出し 語り部:池田セツ(明治40年生)

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語り部:池田セツ(明治40年生)

 鍋横のこの場所には、関東大震災の年に移ってきましたが、私の家の周りは畑が多く特にナス畑が多かったですね。また、軍人さんが多く住んでいました。戦中、戦後の食糧難の時代には中央線で国分寺まで行きそれからまた乗り換えて小川村という所まで買い出しに行きました。私が鍋横から来たというとうらやましがられたり阿波屋さんに奉公に行く人のためにみんなでお祝いをした、ということを聞いたときは何か晴れがましい思いがしました。サツマイモやカボチャを魚の干物やかつおぶしなどと交換してリュック一杯に背負って帰ってきましたが、とてもおいしかったことを今でも思い出します。だんだん昔から住んでいる方が少なくなって寂しくなりましたが、家族と仲良く暮らしていけるのは何よりもありがたいことと思っています。