なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第4章【2】(1)昭和40年代の鍋横商店街 語り部:高野キヨ子(大正9年生)

f:id:nabeyokonews:20200513010849j:plain

語り部:高野キヨ子(大正9年生)

 鍋横通りで下駄屋を営んでいた頃、周囲にはたくさんの商店があり、ほとんどの日用品は近所でこと足りた時代でした。通りをはさんで向かい合って魚屋があったりしました。

 下駄を商品として店に出す前にすることがあります。問屋から仕入れた土台桐の左右に合判を打ち、面とり(角を丸くするため木で擦る)します。表面と側面に砥の粉を塗り、乾かして砥の粉をワラのブラシで取り除きます。これを2回くらい繰り返し、次に艶出しのため蝋ろうを塗ります。(蝋は値段の高い下駄には上質のものを、安いものは普通の蝋を使います。)その後、瀬戸物で出来た道具で、表面をよく擦ります。鼻緒を挿げ、裏の前鼻緒の所に前金を打って出来上がりです。磨いたりするのが結構力仕事だったんですよ。

 

f:id:nabeyokonews:20200513010855j:plain

火の見やぐらが懐かしい旧中野消防署