なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第4章【2】(2)福引の景品は三種の神器 語り部:深山雄暉(昭和9年生)

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語り部:深山雄暉(昭和9年生)

 母親が現在の場所に文具店を開店したのは昭和20年のことです。9月から中野本郷小の6年生に転校して、昭和31年に店を引き継ぎ、現在に至っています。

 「鍋屋横丁に引越しよ」と言われた時、有名な地名だし、浅草の仲見世みたいな所かな?と思っていましたが、来て見ると道路が広く両脇に約150店舗が並んでいる大きな商店街でした。

 当時のお中元・暮れの大売出しには福引が盛んでした。三種の神器(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)などを特賞の景品にした為、福引券を貰う大勢の買い物客で、商店街全体が繁盛しました。

 文具の売れ筋はなんといっても、セロハンテープ・ホッチキス・マジックインクなどが当時の画期的な商品でしたね。

 一番大変な出来事として思い出されるのは、昭和39年に近隣4軒が焼けるという大火に見舞われたことです。家は全焼してしまいましたが、夜更かししていたのが幸いして、人命救助の表彰をされました。それから40年以上経ちますが、今でも消防車のサイレンの音を聞くと緊張します。