なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第4章【8】(2)焼け跡に建った校舎 語り部:戸田茂(昭和11年生)

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語り部:戸田茂(昭和11年生)

 旧高等小学校の焼け跡に開校した二中に、昭和23年2期生として入学しました。その頃の校庭は末整備で、旧校舎の瓦礫が至るところに残っていましたが、野球部やバレー部等の部活動は行われていましたね。野球部だったので部活動の練習をしていると、身体の大きなホークスの選手が偶然通りかかったので、練習を見てもらったことがありました。すごく嬉しかったし、また、サインをもらう友達もいました。

 当時の二中は、学年により桃三小や本郷小等での仮校舎授業を受けていましたが、3年生になって校舎が増築され、やっと落ち着いた学校生活になりました。ところが増築された教室は6教室しかなく、3年生は7クラスで生徒達は当然もめましたね。抽選にしてはとか、いろいろ意見が出ましたが、その結果、G組の私のクラスが古い校舎にされてしまい悔しい思いをしました。

 放課後は野球をしてよく遊びました。バットもグローブもボールも全て手作りで、車の少ない頃でしたから道路でもどこでもが遊び場になっていました。二中周辺の家並みは今とあまり変わりません。NTT社宅があった場所には有島邸という立派な屋敷があり、当時アメリカ軍に接収され、東京裁判の関係者もいたと記憶しています。終戦間もない大変な時代を過ごした母校が、60周年を迎え感慨深いものがあり、今となっては懐かしい思い出となっています。

 

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