なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第3章【2】(11)花に囲まれて幸せ 語り部:庄司みき(大正4年生)

語り部:庄司みき(大正4年生)

語り部:庄司みき(大正4年生)

 昭和16年に房総(千葉県)から鍋横の花屋「みどり屋」(中央4-1)へ嫁いで、それ以来花に囲まれての生活です。

 昔も今も店に並ぶ花を市場で仕入れて販売するのは同じですが、温室栽培がないため、四季折々の花が1年を通して彩ることは無く、種類も少なかったものです。

 でも、自然に育った花は、元気がよく長持ちして香りが良かったですよ。冬は伊豆方面からのフリージア、房総からの金盞花きんせんか、ストック春は房総の菜の花。夏は麒麟草、グラジオラスですが、この時期は各家庭に花が咲いているので売れなかったのを覚えています。秋には信州からの菊が多かったですね。

 

イラスト

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 昔は、花を活用する場も少なく、娘さんが生け花のお免状を嫁入り道具の一つとして持っていく時の習い事用とか、女子高校の教科であるとか、会社の女性社員が職場で習うときなどに使われる程度でしたね。

 お正月に苔松を床の間に生ける方が多かったですよ。仏壇の花は仏様の姿に飾る方もいました。

 花屋さんをしていて良かった事は、毎日花の中で暮らしてきて、花の香に元気をもらい日々を健康でいられることですね。また、多く種類の花に出会えたことですね。