なべよこ観察隊|鍋横物語 見たい 聞きたい 記録したい|東京都中野区

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第3章【2】(8)質屋の利用も気楽に 語り部:石川 久子(大正4年生)

語り部:石川 久子(大正4年生)

語り部:石川 久子(大正4年生)

 生後まもなくから、ずっと鍋横に住んでいます。父が質屋を営んでおり、子どもの頃、暮れになると正月用の着物を出しに来る人が多かったですよ。

 包んであった和紙をたたむのを妹と競争で手伝いました。大晦日は特に忙しく、午前2時まで店を開けてましたね。預かった品物は、10円以上は2階、10円以下は1階に保管してました。

 昭和30年、父が亡くなり私が店を継ぐことになりました。昭和49年まで何とか続けてくることができましたが、お客さんが来るたびにドキドキしたものです。

 着物はまだいいのですが、時計等は見ても分からず、「今、主人が留守で・・・」などとごまかしました。

 

廃業した現在も当時の蔵は残されています。 蔵の側面の通風孔はその扉の厚さからも頑丈さが伺えます。

廃業した現在も当時の蔵は残されています。 蔵の側面の通風孔はその扉の厚さからも頑丈さが伺えます。

 一度、金の指輪型印鑑を6,000円で預かったら、後で500円くらいの価値だと分かって大損しました。質屋というと、何か行きにくい所と思うかもしれませんが、当時、学生や近くの人でも、その日の飲み代のためなど気楽に利用していたんですよ。

 鍋横にも質屋がたくさんありましたが、今は少なくなりましたね。