なべよこ観察隊「鍋横物語ー見たい 聞きたい 記録したい」中野区・鍋屋横丁

なべよこ観察隊は、鍋横地域協議会の課題別部会である地域センター部会の中の専門部として活動しています。メンバーの多くは青少年の育成活動、町会、PTAなどの地域活動を通して、この活動に興味をもった人たちです。日常の生活の中で、目についた地域の様子、興味を感じたまちの様子をそれぞれ出し合い、実際にまちを歩いて観察しました。

第2章【3】(2)雑木林は遊び場 語り部:高野広國(大正8年生)・高野セッ子(大正9年生)

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◆ 私は、昭和6年に鍋横の追分に、家内は昭和7年に鍋横商店街の近くに越して来ました。うちは花屋だったので、この辺りのお屋敷にはよく配達に行かされました。現在の所に店を出したのは結婚してからですが、家の前にある東京文化幼稚園や和田保育園の辺りは、峯島さんの大きなお屋敷でした。そこが江戸時代から妙法寺の参詣人で賑わった『しがらき茶屋』(明治末期閉店)のあった所と聞いています。

● そうそう峯島さんの庭には、銀座のガス灯と同じものがあったと古くから住む方に聞いたことがあります。

◆ 現在のお屋敷の裏一帯は、『しがらき山』と呼ばれていて、走り回ったり、凧揚げをして遊びました。クヌギや栗の雑木林の小山になっていて…

● そういえば、一本松と言われていた松があって、そのそばに栗の木がありました。
 弟は台風で学校が休みになったときに、飛び出して行ったと思ったら、栗をいっぱい拾って帰って来たことがありましたね。
 今の十貫坂地蔵堂の辺りには、レンゲの花がいっぱい咲いていて、私はうれしくて抱えるほど摘んだのを覚えています。

大正12年頃のしがらき茶屋

大正12年頃のしがらき茶屋